見積書の項目にある「荷揚げ費」とは

建築工事の見積書の中には、各工事項目ごとに分けて記載されているのですが、「材料費」でも「加工費」でもなく、また「運搬費」とは別に「荷揚げ費」という項目がある場合があります。

今日は、その「荷揚げ費」の費用にかかる荷揚げ作業の話です。

メディカルビルの増築工事は、鉄筋コンクリート造の6階建て。外装仕上げもほど出来上がり、外部足場も解体されました。今日は、「キュービクル」という受電設備の大きな箱を屋上へ荷揚げ作業する日でした。このキュービクルは、ある一定以上の電力を消費する建物には、必要な設備で、その重量は、1~3t(トン)くらいあります。とても人の手では、持ち上げることはできませんので、ラフターという重機で持ち上げます。

ところが、前面道路がこのように狭いところであると、その作業は簡単ではありません。1t(トン)以上ある大きな箱を電線を交わしながら、荷揚げするのは至難の業です。

屋上では、このようなキュービクル専用の基礎をコンクリートで事前につくっておきます。水が溜まらないようにゆるやかにカマボコ型にして、防水塗装してあります。

その機械基礎まで、キュービクルは直接届かないために、一度手前に降ろしてから、その機械基礎まで動かします。そのためレールを仮設の単管パイプなどでつくっておくます。

いよいよ、ラフターに釣り上げられたキュービクルが屋上に姿を見せました。

ロープで誘導しながら、レールの手前の位置にゆっくりと下ろしていきます。

荷重のかかる位置にレールの幅を動かしながら、何度も調整します。

何度も何度もレールの幅を調整しながら、単管パイプをレールの上に敷いて、少しずつ単管パイプを転がしながらなんとか機械基礎の位置まで移動することができました。

このように重い物を揚げるときや高いところに物を揚げるときには、ラフターのような重機や多くの作業員を必要とします。また、今回のように仮設の架台が必要になる場合もあります。これらを怠ると安全性を失い事故につながる危険性も生じます。このように工事に必要な荷揚げ作業に費やさざるをえない費用のことを「荷揚げ費」といいます。

メディカルビル増築工事の完成画像はこちら

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